読み・やたかやま339こうち
場所・姫路市砥堀 
撮影・2010・07
 

「自然は人間など愛していない」

ディザスター映画の最高峰(絶望的な意味で)
「パーフェクトストーム」のキャッチフレーズですが、
穴居人は的を射てんじゃないかと思ってます。

人間は自然なしじゃ生きられないケド、
自然は人間がいなくても無問題
ですからね。

つまり一方的な片想いなんですよ。
永遠の片想いと言えば格好いいですが、
気分は57歳メタボ糖尿病持ちの
小学校教師が教え子に夢中になって求婚する
ような、
なんていうか犯罪めいた関係とも言えなくもありません。

ここ数千年、人類は自然に必死にアプローチしてきたんですが、
お高くとまった彼女(自然)は振り向くどころか、邪険にするばかり。

お仲間を生け贄に捧げても効果なしですよ。

人類はそこでこう思いました。

「こんなに頑張ってるのに、
振り向かない彼女(自然)が悪い」
(byストーカー 恐怖の心理より)


自分の醜さを棚上げして報われないのを彼女のせいにするガクブル心理ですが、
ともかく人類は洞窟にこもって自問自答する日々を捨て、
せっせと彼女(自然)を自分好みに変えていくことにしました。

地面の奥からわざわざ黒い発火物(知られたくない過去)
掘り出して世界中にばらまいたり、
彼女の周りに何万台とカメラを設置して、四六時中監視してみたり。
一部の自分に都合のいい動物だけ優遇して、彼女の庭を荒らし回ったり。

人類のほとんどはそれを当然だと思っていました。
こうしていれば・・・いつか振り向いてくれるはず・・・・!

ま、皆さんはもうおわかりでしょう。
そんな日が来ることはないことを。

なんでこのままじゃいけないっと立ち上がった連中がいました。
自らの過ちは自らで正すって訳です。
まあ、やってるコトは逆シャアのネオジオンと変わらないですが、
とにかく今回はそんな”彼ら”の奮闘の記録を後世に残しておきましょう。

「地球が駄目になるかならないかなんだ。
やってみる価値はありますぜ」

(ふざけすぎw)
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やってきました。
今や、姫路一の心霊ホットスポット広峰駐車場。

死人まで出たのに、未だに珍走族が後を絶ちません。他に行くトコないのか???

是非、赤色灯愛好会の方々には此処に常駐していただきたい。
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その奧には、人工の池、蛇ヶ池が。

そのまた奧に、”彼ら”の戦いの地があるのです。っつかホントに頭が下がります。

自転車であがりきるのを途中挫折した穴居人の根性なしはともかく、
こんなトコロに”あんなもの”を建設しようとしていたとは・・・
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しばらく登ると現れる休憩所。展望は0ですが、ここがわかりやすい分岐点。

正規の道を行けば、広峰神社に繋がりますが、今回は裏手の細っこい道を行きます。
目的地、その名は・・
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弥高山。

バブリーな90年代初頭、姫路で一番ホットな場所は此処だったに違いない。

何せシムシティでも、中堅都市じゃ建てただけで赤字に苦しむ、空港を作ろうとしていたんですから。

山中に。

正気か・・・どうやって?
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もちろん、今から登るこのを削って。

339.7mもあるんですけど・・・

出た土砂を使って、谷を埋め立て平らにする計画だったようですが・・本気だったんですか?

但馬空港の経験があったから?いや、計画ではこっちが先です。発案はなんと1986年

事業費は聞いただけで泡吹きそうな1200億円(当初は950億円)!!

こんだけありゃ、こんな僻地に建てなくてもいいんじゃね?
とも思いますが、海を埋め立てた神戸空港は
3200億円使ってもまだ足りなかったワケなのでまだ良心的な値段かな・・・
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登り始めてものの10分ほどで山頂に到着。山頂は不思議なほど開けています。
何でも調査測量のために伐採したせいなんだとか。

そんな兵庫県主導で、着々と進む計画に反旗を翻した者たちがいました。

播磨空港いらへん!市民の会
播磨空港建設の中止を求める会
播磨灘を守る会
播磨空港建設の中止を求める香寺の会
播磨空港建設反対高砂市民の会

併せて播磨空港に反対する県民の会は、
民間らしい地に足ついた(またはいやらしい方法)で妨害することにしました。

その1、一口地主運動

つまり土地を買って、そこに居座ることで計画を頓挫させる伝統的な手法ですな。

ってことはここ、私有地??
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その2、座り込み運動

戦い火蓋はきっておろされたワケです。↑はその燃えカスみたいなもんです。
櫓をたてて、此処で夜を明かしました。

2008年に計画中止を勝ち取るまで、彼らはここで戦いました。

姫路城ですら売り払おうとしていた連中の子孫とは思えない献身ぶりです。
かくして姫路の里山は、無事守れたのです。
メデタシ、メデタシ。
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って、あれ・・・・
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・・・なに、コレ・・・・
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うわっ・・・ヒデェ・・・・
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マジかよぉ・・・・
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人間の性、それは悪なり!
自然を愛する人たちの所業ですか?これ。

木に直接釘打ちですよ。生活用品放置ですよ。
コタツを持ってあがった気力がありゃ、持って降りるのなんか屁でもないでしょうに。

ビニールシートなんかひいてたら、植生復活しねぇじゃん。

つい二束三文の土地を買って、
それを高値で県に買い取らせようとしている為のパフォーマンス
じゃねぇえの?
と悪い勘繰りまで脳裏をよぎる悲惨っぷり。

もう何年も前に、終わってるのに・・・

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山の反対側には、江戸時代の墓石もチラホラ見つかる
自分が子孫だったら墓参りが、10年に一度ぐらいになりそうーな墓地が。
多分、姫路で車道からもっとも奥地にある墓地です。

ここも空港建設になれば、その下敷きになってたでしょうから、出逢えたことを”彼ら”に感謝すべきでしょう。

でも、山頂の惨状を見ちゃうと、素直に受け入れられないのも事実。

まあ、私有地だったら文句を言う資格もないんですがね。
コタツを置き去りにしようが、ヤカンを捨てようが、ブルーシートを引きっぱなしにしようが、
私有地なら何してもお構いなしですから。
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まあ、釈然としませんが。

いや、ホントはまだ戦いは終わってないのかもしれません。

県が建てた標識の下にはひっそりと、空港予定地の文字が・・・!

回収し忘れただけじゃね?いやいや、まだ燻ってんですよ。
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その証拠は今はなき姫路駅の中にありました。
まず地下駐輪場を利用しない人間は一生縁がない姫路駅西地下通路。

そこには、
姫路のさまざまな場所の写真が掲示されています。
↓こんなカンジで。
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主に姫路城が。そのなかで・・・
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そうですよね。計画は凍結されただけで、
廃案になったワケではありません
もんね。

いつかまた不死鳥のごとく、ひょっこりと復活するやもしれません。

いや、きっとその気です。そうに違いありません。戦いはまだ続くのです。
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写真が見にくくて申し訳ない。

本来は←みたいにライトアップされるらしいんですが、
管球が高価だそうで、球切れになると放置されるらしいです。

掃除のおばちゃんが気さくに語ってくれました。
なので酔っぱらいの皆さん、おばちゃんを助けると思って、人気がないからって小便するの止めましょう。

恐ろしく臭いです。
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アンブローズ・ビアスの救いのない格言が、穴居人の頭を過ぎってたまりません。

「人は悪を悪と思って為すのではない。
幸福と思って悪を為すのだ」


自然を守ることを謳いながら、ゴミをまき散らす連中と、それがどんな影響を与えるか、
真剣に考えもせずに空港を建てようとする連中と。

どっちが達が悪いのか、穴居人には判断しかねまするが、
プライドが高く謙虚になれねぇ内は、いくらストーカーして思い詰めても、
振り向いてはくれないもんだってのは知っていただきたい。

相手のコトを熟知したなら、その行動はしねぇだろう、
そういう境界線を踏み越えないトコから、ホントの戦いは始まる。

とか思ったりするのですが。