読み・あなむしいけ
場所・姫路市大塩町

撮影・2013・11

「名は体を表す」

キラキラだか、DQNだか、両親の素敵な願いが込められた名前が、
就職活動まで木っ端微塵にするこのご時世。

名前はホントに重要になってきました。
何せ人生まで左右するってんですからね。

そんな名前に関するエピソードといえば、
2014年の広島の土砂災害、74人もの命を奪った大災害ですが、
被害地域の八木地区が昔、蛇落地悪谷(じゃらくじあくだに)という不吉極まりない
土地だったという、映画ポルターガイストのお父さんのように、
「どうして、こんなところに建てたんだ!」
と叫びたくなる暴露があったりしました。

何せ蛇もイヤだけど地悪谷ですからね。

名前は命にも関わる問題なのです。敏感になります・・・・って気になりますよね。

じゃあ、姫路にもヤバイ地名の場所があるのか?

姫路周辺には死の首やら、死野やら、
大蛇(オロチ)やら気合の入った連中がいるんですが、
姫路市内は穴居人の知る範囲では、大したのはいません・・・

残念?・・・いや、一安心ですね。

と思いきや、大塩の地誌で見つけてしまいました。それがこの穴虫池

素でもまあ、おどろおどろしいですが、地誌によると
”穴虫とは墓の事をさす”とサラッと書いてあります。
つまり墓場池

またまた横溝正史が大好きそうなネーミングセンス。

これは確かめねばなりますまい。
まあ、お察しの通り、十中八九墓の真ん中にあるんでしょうが。
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さあて、もちろんグーグルマップでは池名すら表示されないので、地誌を頼りに馬坂峠へ。

ここも白い馬の首が花嫁を攫っていたサウンド・オブ・サイレンス風味なエピソードが残り、
播磨の怪談本において、沿岸地区筆頭のホラースポットだったりします。

このすぐ麓にあるのが・・・
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こちら、穴虫池でござい。

見事に墓が立ち並んでますね、はい。

もっと鬱蒼とした雰囲気を思い描いてましたが、池があるおかげで逆に雰囲気が和らいでます。

日当たりも良好(池のおかげで)。

元来、墓地が暗くジメジメした場所にあるのは日光で墓石が傷まない為とか
聞いた事がありますが、西側の墓石には容赦なく日光が照りつけてます。

何せ日当たり良好なんで(池のおかげで)。
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六地蔵もお付きが3名もいる豪華仕様。

しかし、区画が新しすぎる?
軍人墓地や天保やらの墓が点在する割に、整然としすぎてる・・・?

山全体が崩落気味で、管理されてるのか、打ち捨てられているのか判然としない景福寺山と大きな違いです。

もしかしたら、最近やり直した?昔はもっとジメジメ鬱蒼としてた?
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だからって椰子の木はやり過ぎですが。
日本海の寒風で、拷問のように痩せ細った羽合温泉並の風体ですがあっちこっちに埋められて・・・

ってあれは何だ!?
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対岸に見えたものにちょいビビってしまいました。

墓場池の名前を持つ場所が、妙に日当たりの良い墓地だけで済むハズがないんですよ。

さっきまでいたのは、東側。こっち南側は何と和洋折衷使用
花崗岩の墓石の向こうに十字架を頂いた教会が立ってる素敵な光景が広がってます。

まずあり得ない光景に、場所柄もなくウットリしてました。
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こうなると、西側にも期待が高まりますが・・・

ただの住宅地でした。

きっと元墓地できっとスピルバーグ映画のお父さんのように、
「どうして、こんなところに建てたんだ!」
と雄叫ぶ事になるのを期待しますが(不謹慎)
その辺に座っていた古老を捕まえて話を聞くと、そんな穴居人のささやかな願望は打ち砕かれました。

昔からただの住宅地でした。
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「この池の周りはみんな墓地やった。この西側以外は」

ショボンとして池を眺めます。

溜池なんで、田んぼに引き入れられる水になるのに、このアオコ。毒とか大丈夫なんかな・・・?
とか素人目に考えてました。

いや、ちょっと待てよ?

この西側以外は?

じゃあ、この緑豊かな山際には、何が?
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住宅地側には山道どころか、獣道すら見当たらない始末。

とりあえず、東側から回り込んでみると、
あるじゃん、あるじゃん。この道の先には何が?

まあ、十中八九、墓地なんでしょうが。
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いや、畑でした。

しかも行き止まり。向こう側には凄まじいが広がってます。

人が入った形跡は皆無。
古老があんな事を言わなければ、ここで引き返したかも知れません。

この西側以外は?

くそ~、やっぱ行くしかないか~。
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で,地獄の藪漕ぎ5分

目の前に謎の物体が現れました。

予備情報では墓だったはずなんですが・・・

戒名も何も掘ってねえ・・・

何だこれ???

地蔵尊の祠の入り口をコンクリで固めた?何故、そんな事を?

ちなみに足元には・・・
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多分、安置されてたと思われるお地蔵様が野ざらしで・・・

人気がないので、廃墓地に行き当たるのは覚悟してましたが、これは・・・・

しかも落ち葉でわかりにくいのかも知れませんが、墓地らしい墓石が見当たりません。

目立つのはこの謎の祠と草まみれの石碑と、もうひとつ。
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これです。何に見えますか?

もちろん、ジャムおじさんのパン工場にあるヤツですよね。

いや、わかってます。わかってます。そんなモンが墓地にあるわけがない?

いや、わかってるんですよ。ホントに。これが何かは!
でも釈然としないんですよ!
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この釜の入り口の大きさが人の頭くらいだから。

人間は折りたたんでも入らねえ・・・

ペット用?

いや、猫ならともかく犬は・・・・

嫌な考えは頭をよぎります
でもわざわざ大人と別に作る必要があるとは思えない!
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あまりに不気味すぎるので、古老にもう一回聞きました。

「おお、あれはお産の時の胎盤なんかを燃やすやつや」

やっぱり子供関係でしたが、一安心。

帰って調べると、昔は
伝染病患者排泄物用焼却炉産褥物胞衣用火葬炉
別に作っていた記録がありました。

病気の予防の為だったようです。いや、勉強になりました。

打ち捨てられた林の中で、ひっそりと佇む珍しい焼却炉、墓場池の名は伊達ではなかったですね。

惜しむらくは・・・やっぱり住宅地じゃなかったら・・・
「どうして、こんなところに建てたんだ!」
とかならないですかね(不謹慎)